2024/06/15 21:55

ご覧頂き有難う御座います♪


ヴィンテージ・エレクトリックギターの音。
特にフェンダー系、ギブソン系がお好きな方には本体は垂涎の品かと思います。勿論私にとっても憧れの品です。
自分の手持ちのギターで同じ音は出ないものか?興味をお持ちの方なら各社カスタムショップ製のエイジド加工品、また各パーツのエイジド処理品なども同様にチェックされておられると思います。

その中で私が関わっているものとしてはピックアップが挙げられます。
まだフェンダー系シングルコイルの製作に特化しておりますが、私自身がヴィンテージトーンを模倣している中で感じた事を皆様にお伝えしようと思い当ブログにまとめた次第です。
実際幾つかのヴィンテージトーンに寄せた商品をリリースしておりますが、実際のヴィンテージと比較し「非常に似た(完全一致ではありますがそれなりに似ている音と解釈してください)」音を再現出来たと納得していたが別の同年代ヴィンテージと比較したら「今一つ物足りない」と言う事象がありました。
勿論演奏者、再生機材が異なるのですが感想が正反対に近い事もありました(例えば高域(プレーン弦での音)は満足しているが低域(巻き弦)においては押し出しが弱いと言った感想が同じ商品でも逆の感想を頂く)。これは何に起因しているのだろうか?と考えると、一番大雑把な言い方ですと「個体差」と言う事だと思います。
ではその「個体差」とは具体的にどの部分が違うのか?実はヴィンテージトーンとはそこに秘密があるのでは?
多分誰もが考えることであり答えが見つかっていたら既に大手メーカーが発見していると思います。
でもピックアップ製作の過程で解ってきたこともあります。私のリリースする商品は巻きパターンで音を変えていることが殆どです。
つまり巻きパターンで音を操作することができます。勿論ワイヤーを巻くだけですから「何キロHzの音だけを強調させる」と言った電子工作の様な芸当は出来ません。しかし雰囲気は寄せられることが出来ます。勿論突き詰めると時間も掛かりますし、前出の「個体差」により違う雰囲気になることもあるかもしれません。この経験から言えることは「ヴィンテージ材=ヴィンテージトーン」では無いと言う事です。
限られたスペースの中に織り込むワイヤーのパターンが様々な表情を見せてくれるのは面白くもあり、時には目標にたどり着くのに苦しくもあります。でもよく考えたら「凄く幸せなことかもしれないな?」と最近感じました。
ギターのピックアップを交換すると言う事はギターを交換することに等しいと考えています。
でも自分はそのトーンを自由に作り出すことが出来るって(チョット大袈裟ですが)、無限に近いギターを所有しているのと変わらないわけです。そう考えたのがLone☆Starが完成した1年前。その時からあまり物欲が無くなりました(苦笑)。

結局ヴィンテージトーンは無限に存在するギタートーンの一部であり、完全に再現することは出来ませんが雰囲気を楽しむことは出来ると考えています。
現在進行形の新製品も音が煮詰まって来ましたが、これも雰囲気を楽しんでもらえるように音を追い込んでいます。

とめどもない話になってしまいましたがTourus Handmad Pickupsの追いかける「雰囲気」を皆様に是非感じ頂ければと思う次第。
そして手に取って頂けるような魅力のある製品を少しづつリリース出来ればと思っております。
(でも水面下でヴィンテージトーンを追求するプロジェクトも開始しつつあります)

今後もご注目下さい!


Retrolab 佐々木